2025/09/15 10:00

こんにちは、愛鯉家チャンネルです。

今回も品種についてのお話。今回は変わり鯉についてです。
変わり鯉とはなにかというと、一言で言うならば「変わってるな~」っていう鯉です。いやホント。
錦鯉の世界には全日本錦鯉振興会っていう生産者の方々で組織される団体があるんですけど、そこが定めている錦鯉の品種区分っていうのがありまして、まずこれが20種類あります。
で、この20種類に含まれない品種っていうのは全て変わり鯉として区分されて、この変わり鯉を含めて振興会が定める品種区分は計21種類になるわけです。
ただ変わり鯉と一口に言ってもその品種の多さは多岐に渡ります。中には品種としてしっかり固定されているものもあれば俗称的に呼ばれているものだったり、突然変異で生まれただけのものだったりと、変わり鯉という一区分の中に何十、もしかしたら何百って品種が詰め込まれています。
品種が固定化されているものでいくつか代表的な品種を挙げると、まず「輝黒龍」と「紅輝黒龍」。これは前回のドイツ鯉の記事でも触れましたね。この二つは最近ではかなり知名度を上げてきている人気品種ですが未だ専用の区分は作られていません。
次に「落ち葉しぐれ」。これも渋い雰囲気が堪らない代表的な品種ですがこれも変わり鯉に区分されます。
ちなみになんですがさっき言った振興会が定める品種区分の21という数字は年々増えて今の数字になっています。そう、元々変わり鯉として区分されていた品種があまりにもポピュラーになったが為に新たに品種区分を増設した、っていうパターンがあるんです。一番最近増えた品種は「五色」。今となっては全日本幼魚品評会でチャンピオンを取る程代表的な品種になりましたが、ちょっと前まではただの変わった柄の鯉でしかなかったんですね。そこから今の地位を築き上げたのってなんか感動的ですよね。
まあそういう事例もあり個人的には落ち葉しぐれ、輝黒龍辺りはそろそろ品種区分を増設してもいいんじゃないかなー、なんて一愛鯉家としては思ってます。閑話休題。

さて、この三種のようにある程度品種が固定化されていて、名前も割とメジャーになっている品種も変わり鯉の中には含まれていますが、中には自分のようなよっぽどのマニアくらいしか知らんだろ、みたいな品種の鯉もいますのでいくつか紹介しますね。
まずは「銀河」と「紅銀河」。これは羽白と孔雀をかけあわせてできた品種で、見た目は光り物の五色のような見た目です。
次に「松川化け」。これは古くからいる品種ですね。自分も一本飼ってますが水温によって模様がガラリと変わるので見ていて凄く面白い鯉です。あとは「影写り」。写り墨のある品種の中で、地体の鱗に網目状の鱗が出ているダークな雰囲気の品種です。確か新潟の大塚養鯉場さんが作出したんだっけな。あとは「黄葉」。愛知県の一品屋さんが作出した品種で、黄白のような見た目なんですけどより深く濃い黄色が乗っているのが特徴です。

とまあ語れば切りがないのでこの辺にしておいて、この他に突然変異的に生まれた鯉であったり、或いは今までない掛け合わせよって出てきた未だ名前のない品種とか、変わり鯉の世界には夢とロマンが詰まってるんですね。さっき名前を挙げた愛知県の一品家さんっていう養鯉場さんはまさにそのロマンを追い求めているところで……。一度だけお伺いさせていただいたことがあるんですが、いろんな掛け合わせを試して未だ見ぬ美しい鯉を作ろうという姿勢には敬服でした。いつかまた行ってみたい。
さてそんなロマンある変わり鯉、皆さんも一本探してみてはいかがでしょう。

皆さん、よき錦鯉ライフを!