2025/08/31 20:00
こんにちは、愛鯉家チャンネルです。
前回品評会の種類と手続きの方法について解説しましたが、今回はじゃあどんな鯉を出品すれば賞を取れるのかっていうことに関して書いていきたいと思います。
所謂鯉の見方ってやつですよね。自分も鯉を飼い始めた頃は、この鯉が〇〇〇万円でこっちが数千円!?はあ~~~!?って感じでしたけど、やっぱ色々見てくるとああこの鯉は高いな安いな位は分かってくるようになります。とはいえ〇千万とか〇億とか、あからさまにインフレしてる値段の鯉に関しては、なんでそこまで値段が吊り上がってるのか自分もあんま理解できてないです。あれって最早一種の現代アート的な価値観なのかなって思って見てます。
まあ我々一般庶民なんでね、現実的に品評会に出品できる鯉を買うってなっても1ケタ~2ケタ万円位がラインになってくるかなと思います。
そもそも鯉の値段ってどうやって決まるかっていうと、これは完全に言い値によって決まります。生産者さんが5万って言えば5万だし、それを買った流通業者さんが100万と言えば100万になるし。値段を決める明確な基準というのはないんですけど、生産者さんが値段をつける際は基本品評会で評価される鯉を高く売る傾向にあります。
品評会で評価される基準とはなにか?まあこれはその時の審査員によっても基準が変わってきちゃったりするんですけど、いくつか明確なルールはあります。
まず評価の軸となるのは「体型、質、模様」の3項目です。その他にも「風格」とか評価の基準になる項目はあるんですけど自分があまり理解できてないんで割愛します。
まずは体型から。上から見た時のシルエットですね。これが如何に綺麗か、というのがまずいの一番に評価されます。頭でっかちだったり、体がガリガリだったり、奇形で体が曲がってるなんてもってのほかですね。横幅は大きければ大きい程良いんですけど、ただいたずらにデカけりゃ良いってもんでもなくて、理想は綺麗なラグビーボール型。頭から尾筒の先まで肉が入っていて、全体的にふっくらふくよかな体型をしていれば完璧ですね。
次は質。この質っていうのは主に模様の発色を指します。赤いところは赤く、深くねっとりした真紅のような紅。白いところは雪のように透き通った白。墨に関しては濃い墨と薄い墨と、どちらでも構いませんが、頭から尾にかけて濃さが一定でムラがないことが重要です。
それからサシとキワも重要なポイント。
どちらも緋盤と白地の境界線のことを指す言葉なんですけど、この境界線を見た時、サシっていうのは鱗の付け根側、緋盤の始まり側を指しています。緋盤の始まりって白い鱗の下に赤い鱗が差し込まれてるんで、2色が重なってピンク色みたいな中間部分ができます。サシが大きいとこの部分が目立って見栄えが悪いです。また全体を見てサシの色にムラがあるのもマイナスです。
キワは反対に鱗の端、緋盤が終わって白地が始まるところを指しますが、もちろんここも明確に境界線ができていることが重要です。
そして最後に模様。これに関してはマジで好き好きだなーって思うんですけど、いくつか明確なルールと加点対象になる模様っていうのが存在します。
紅白という品種を例にとりましょう。赤と白の模様だけのシンプルな品種です。この子の緋盤の形を見た時
・口の先まで達していないこと
・目に紅が入っていないこと
・手鰭に達していないこと
・尾っぽの付け根に達していないこと(ここに若干の余白があることを尾止めと言い、評価されるポイントになる)
という最低限のルールを抑えた上で、最近の流れとしては複雑かつ均整のとれた模様を持つ鯉が評価される傾向にあります。あとは丸天模様(目と目の間に丸形の緋盤が乗ること)なんかも評価されやすいですね。
今回は紅白を例にとって解説しましたが、この緋盤の形のルールというのは大体どの品種においても同じです。
全ての鯉は紅白にはじまり紅白に終わる、なんて言われる由縁ですね。
まあ他にも墨ものとか、いろんな品種で評価されるポイントがそれぞれあったりするんですがそれはまた別の機会に。
という3項目が品評会で鯉が評価される主なポイントです。品評会のパンフなんかを見ると評価基準は「体型>質>模様」らしいんですけど、個人的にはこの3項目はどれかが飛びぬけて良ければそれで良いってもんでもなくて、掛け算なのかなって思ってます。やはり品評会に出すにあたってどれも一定のレベルをクリアしてないといけないし、どれかがマイナスだと全体がマイナスになっちゃう。
皆さんも品評会に出す鯉を選ぶときはこの3項目をバランスよく満たす鯉を探してみてくださいね。
と、今回は品評会で評価される鯉の基準、みたいなのをざっくりお伝えできたかなと思います。
でも勘違いしないでほしいのは、どれだけこの基準に則った鯉を選んで品評会に出したとして、同じ部に数段良いやつがいればそれで終わりだし、模様に関しては審査員の好みに左右されるみたいなところもあるんで、絶対勝てるなんてことはないってことです。自分も何度涙を飲んできたことか……。
それよりも品評会は自分の好きな鯉を衆目に晒すお披露目の場と考えて、もちろん勝てたら嬉しいですけど、そこまで気負わず大事な愛鯉との思い出と実績を作っていく場という考え方が自分的にはしっくりきます。
あと品評会は愛鯉家同士の交流の場としても機能していますよね。飼育に関する話だったり、どういう鯉が好きかなんて話をいつの間にか知らんおっちゃんとしてたりします。趣味の話って世代を超えるから凄いですよね。
もうじき秋の売り出しと品評会シーズンが開幕しますし、興味が出てきた方は是非品評会に足を運んでみてください。
あ、うちで取り扱っている鯉も、もし購入して品評会に出したいとかありましたら是非ご連絡ください。
皆さん、よき錦鯉ライフを!