2025/08/30 20:00



こんにちは、愛鯉家チャンネルです。

今日は錦鯉の品評会について解説したいと思います。知らない人からすればまずそんな場があるんだって感じですよね。そもそも人来るの?っていう。
いやでもこれがね、なかなか盛り上がるんですよ。
地方大会だと来てる人も大体毎回同じで、言うてちょっとした地域のお祭りくらいの規模感なんですけど、全国大会ってなると日本問わず海外から……最近は海外の方が多いか、そりゃもう沢山の人が訪れます。
自分は今まで二度ほど毎年1月に東京で開催される全日本総合錦鯉品評会に行ってるんですけど、そりゃもう圧巻ですよ。
100m×100m位のフロアにびっしりと鯉の入ったプールが並ぶ光景は、愛鯉家にとってはもうパラダイスって感じ。
ちょっとイメージが付きにくいと思うんでそん時の動画貼っときますね。(露骨な宣伝)
品評会ってものの盛り上がりが少しは伝わったと思います。是非ご興味ある方は「〇〇県 錦鯉 品評会」とかで検索して実際見に行ってみてほしいんですけど、今回の話のメインはそっちじゃなくて、もしあなたが鯉を飼っているならば、その鯉品評会に出してみませんか、っていう話です。
出品自体は興味あるけど、手続きとか、鯉の搬出入とか、どんな鯉を出せばいいのかとか、そもそもどこで手続きするの、とか、初めての人は疑問が一杯だと思います。その疑問を解決する一助になってくれたらこれ幸いです。

そもそも品評会には、主催する団体の違う主に3種類の品評会があります。
一つ目は全日本錦鯉振興会が主催する品評会。二つ目は愛鱗会が主催する品評会。三つ目は養鯉場さんが独自で開催するローカル品評会。
他にも別の団体が主催する規模の大きい品評会とかも最近は出て来てるみたいですけど、大別するとこの3つですね。

まずは養鯉場主催のローカル品評会。これはその養鯉場さんで販売された鯉を買ってもらって、一定期間飼育した後また持ち寄って品評会するっていう飼育コンテストみたいなやつですね。有名なところでいうと成田養魚園さんのライブ鯉カップとか、谷養魚場さんの伊佐vs関口飼育コンテストとか。そのイベントの時に鯉を買いさえすれば自動的にエントリーされて出品料はなし、場合によっては品評会当日まで鯉屋さんの方で無料預かりってパターンもあります。これだと搬入搬出の手間もなし。多分これが一番手軽に品評会に参加できる方法なんじゃないかな。なにか賞に引っかかれば賞品がもらえたりするし、良いことづくめです。お近くの鯉屋さんでそういうイベントをやってないか、調べてみるのもアリですよ(ライブ鯉カップ等最近はネットだけで完結するパターンもある)。

続いて愛鱗会主催の品評会。そもそも愛鱗会っていうのは錦鯉飼育愛好家達の団体ですね。各県毎に支部が存在するのでそちらに連絡すれば入会はいつでも可能です。入会費年会費は、具体的な数字は差し控えますがちょい高めかなって感じ。
愛鱗会主催品評会のメリットは、とにかくどんな鯉であっても自分が飼育した鯉であれば品評会の場に出せることです。後述する振興会主催の品評会は出品する鯉に割と縛りとか制約があるんですけど、愛鱗会はその辺割と緩いみたい。
ただデメリットとしては出品には愛鱗会への入会が必要っていう点と、日本国内における愛鱗会の規模が年々縮小していってることですね。
昔はかなり大きな規模の団体だったようですが、今調べた感じ令和3年度の事業報告書に乗っている会員数は国内587 名・国外 747 名、総数 1,334 名、だそうです。海外の会員の方が多いみたいですね。
なのでまあ、各県支部主催の品評会は各地で開催されているようですが、多分そこまで出品本数は集まらないのではないかな、と思います。その県毎に依るとは思いますけど。

そして最後が振興会主催の品評会です。こっちの方がより規模がでかくて、一般的に品評会といえばこちらを指します。ただそのシステムはちょっと煩雑で、愛好家主体っていうよりかは鯉屋さん同士の代理戦争、みたいな側面があります。
詳しく説明しますね。まずさっき少し触れた出品鯉の縛りですが、地方大会に出品する場合、出品する鯉はその地方の振興会に加入した養鯉場の鯉に限られます。また、出品者自信もその地方在住であることが求められます。
年三回行われる全国大会に関しては地方の縛りはなくなりますが、それでも出品できるのは振興会加入の養鯉場から購入した鯉に限られます。
つまり、自分は山形県在住ですけど、東北の鯉屋さんで買った鯉を関西大会とかには出品できないし、仮に自分が大阪の鯉屋さんで鯉を買ったとしても関西大会に出品はできないよ、でも全国大会であればそれもOKって感じですね。
で、出品の手続きというのもその振興会加入の鯉屋さんが窓口になります。流れとしては鯉屋さんで鯉を買う→この鯉を品評会に出品したい旨伝える→出品手続きっていう感じですね。
で、このパターンの場合、品評会の日が近ければ大体はその日まで鯉屋さんが当日まで鯉を預かってくれて、品評会当日の搬入もやってくれます。で、品評会後袋詰めされた鯉を受け取って持ち帰るor継続して預かり飼育のどちらかを選ぶという流れ。
もう一つは自分で鯉を持ち込むパターン。品評会より大分前に鯉を買ってて、既に自宅で飼育しているんだけどいい感じに仕上がってきたから今度の品評会に出したい、ってなった場合、出品の手続き自体はその鯉を買った鯉屋さんでやるんですけど、搬出入は自分でやる必要が出てきます。
一般的な方法としては、釣りなんかで使われる、釣った魚を生かしたまま持ち運ぶ生け簀みたいなのがあるんでそれを使うか、自宅で袋詰めして会場まで持っていくかの二択ですね。前者の場合も最終的には袋詰めが必要なんで会場に着いてから鯉屋さんに頼んで袋詰めしてもらいます。こっちの方が手軽だし、事故も少ないし個人的にはこっちの方がオススメなんですけど、ただ一人で何本も出品するってなると自分で袋詰めする方が数は持っていけますよね。その場合鯉屋さんから専用の袋と輪ゴムをもらって、酸素はペットショップで売ってる酸素缶を使いましょう。袋の結び方とかは鯉屋さんに聞いてね。

とまあ品評会の種類と出品のおおまかな流れはお伝えできたかなと思います。
で、そもそもなんでこんな苦労してまで品評会に自分の鯉を出品するのかっていうと、まあ偏に楽しいからですね。
やっぱ日々の飼育のモチベーションになるじゃないですか。定期的に競う場があるのって。品評会で勝てるようにするにはどの餌をどのタイミングであげて、水質はどのように保つか……とか考えたり、買う鯉を選ぶ時もどの鯉だったら品評会で勝てるか?を考えながら選んだりするのはめっちゃ楽しいです。そんで大きい賞に入ったりすると月間錦鯉や鱗光に掲載されちゃったりして。自分の名前と愛鯉が衆目を集める日を夢見て今日も愛鯉家達は餌やりをしている訳です。

ちょっと長くなっちゃったので品評会で評価される鯉の基準についてはまた次回書きますね。

皆さん、よき錦鯉ライフを!